マインドスタンス
変化への適応
・環境や仕事・働き方の変化を受け入れ、適応するために自ら主体的に学んでいる
・自身や組織が持つ既存の価値観の尊重すべき点を認識しつつ、環境変化に応じた新たな価値観、行動様式、知識、スキルを身につけている
・DXの背景に存在する社会や産業の変化、あるいはDXに伴う組織、仕事の進め方等の変化に適応していくためには、所属組織などが提供する研修等を受けるだけではなく、能動的に新たな知識を得るために行動する必要がある。
・社会や産業が変化する中で、変化に適応して業務を遂行したり判断するためには、これまでの社会人経験の中で身につけた知識・スキルや、培ってきた経験則が古くなっていないか振り返る必要がある。
行動例/学習項目例
主体的な学び
- 新興の技術に関する書籍・新聞記事を読む
- 新興の技術に関する書籍・新聞記事を読む
- 新興の技術に関する書籍・新聞記事を読む
新たな価値観、行動様式、知識、スキルの習得
- 自身のデスクトップ上でデータ管理を行っていたが、同時編集できるクラウドツールが提供されたため、クラウド上で同時編集すべきデータを見極めて、クラウドにデータを移行した
- 情報はメールでやり取りをし、必要な人にCcを付けて共有していたが、コミュニケーションツール上でグループを作り、グループに情報が集約されるようにした
コラボレーション
・価値創造のためには、様々な専門性を持った人と社内・社外問わずに協働することが重要であることを理解し、多様性を尊重している
・DXを加速するためには、様々な専門性を持っている人がお互いに知恵を出し合って、実現したい姿や実現するための方法を考える必要がある。そのためには、所属する組織・企業などに留まらず、多様な専門性や視点を持った人と積極的に協働することが求められる。
・デジタル技術の活用により、組織・企業のメンバーが、それぞれ異なる時間・場所で働くことが増えていくと想定される中では、性別・国籍にかかわらず、一人ひとりの働き方や貢献を尊重することが求められる。
行動例/学習項目例
様々な専門性を持った人との協働
- 所属する部門の課題解決に取り組んだところ、他部門にも関連しそうな内容であったため、部門横断のチームを立ち上げた
- 立ち上げたプロジェクトに関する専門性の高い人材が社内にいなかったため、社外の専門人材と協働して推進した
多様性の尊重
- 社内施策で専門性の異なるメンバーが多いチームへの参加が決まったが、自身の専門性の観点から専門知識を持たない人でもわかりやすい言葉で意見を述べた
- チームに介護を理由に決められた時間内でしか働くことのできないメンバーがいたが、勤務可能な時間と専門性を考慮した役割分担をした
- チームに外国籍で日本語が母語ではないメンバーがいたため、なるべく平易な日本語でのコミュニケーションや、共通で話せる英語でのコミュニケーションも取り入れた
顧客・ユーザーへの共感
・顧客・ユーザーに寄り添い、顧客・ユーザーの立場に立ってニーズや課題を発見しようとしている
・DXの定義にあるサービスモデル・製品の変革を行うためには、困りごとやニーズは、目に見えてわかるものや、今現在困っていることだけでなく、「こうなればいいのに」といった夢・理想なども含めて、顧客・ユーザーの立場からニーズ・課題を捉えることが求められる。
・顧客・ユーザーは、会社のサービスや製品のユーザーだけでなく、社内サービスのユーザーや自身の次工程などのユーザーも含むものであると捉えることで、社内業務の改善などにもつなげることができる。
行動例/学習項目例
顧客・ユーザーの立場に立ったニーズや課題の発見
- ユーザーの声として寄せられる情報だけでなく、ユーザーの前後の行動も含めて分析し、言語化されていないニーズを見つけた
顧客・ユーザーの立場に立ったニーズや課題の発見
- 直接のユーザーだけでなく、協力会社(代理店・サプライヤー・業務委託先など)もユーザーとみなし、製品・サービスの品質向上に取り組んだ
常識にとらわれない発想
・顧客・ユーザーのニーズや課題に対応するためのアイデアを、既存の概念・価値観にとらわれずに考えている
・従来の物事の進め方の理由を自ら問い、より良い進め方がないか考えている
・DXの手段としてのデータやデジタル技術に関するツールは様々なものが、現在進行形で生まれているため、従来のやり方を基盤として改善するだけではなく、従来とはまったく異なるやり方も検討する必要がある。
・顧客・ユーザー起点ではなかったとしても、自身の業務やサービスが、これまで、どのような理由・経緯でこのようなやり方をとっているのか、自問自答する姿勢を持つことで、やり方を変えてもよいところ、変えるべきところを発見することができる。
行動例/学習項目例
従来の物事の進め方の見直し
- 顧客からの問い合わせを窓口で受けていたが、営業時間外の対応ができなかったため、窓口業務を縮小し、ユーザーが自身で検索できる見やすいマニュアルやチャットボットを整備した
- 工場のシフト管理は管理職が行っていたが、自動シフト作成ツールを導入し、管理職の業務を減らした
反復的なアプローチ
・新しい取組みや改善を、失敗を許容できる範囲の小さいサイクルで行い、顧客・ユーザーのフィードバックを得て反復的に改善している
・失敗したとしてもその都度軌道修正し、学びを得ることができれば「成果」であると認識している
・従来とは異なるやり方をしようとする場合、成功を保証する前例はないため、計画を立ててそれに沿って企画やサービス開発、業務改善を進めても、上手くいかない可能性や顧客・ユーザーが求めているものにならない可能性がある。そのため、失敗を許容できるレベルの小さいサイクルで開発・企画・改善を行い、顧客・ユーザーの反応を見ながら進める必要がある。
・失敗したとしても、都度軌道修正し、失敗の原因を検討しそこから学びを得ることで、新たなサービス・製品の開発や業務の改善のタネを得る可能性がある。
行動例/学習項目例
小さなサイクルでの実施と反復的な改善
- 営業情報を手動で管理しているため、管理ツールを導入したいと考えているが、従来のやり方からの変更が大きいため、まず一つの支店でのみ実験的に導入し、支店のメンバーにとって、対応が難しかった変更点や抵抗感がある変更点と対応策を明確にした
- 現場の従業員から、コストがさほど高くないツールの導入を提案され、短期間での解約も可能であったため、試しに導入し、どのような効果があるか試した
- 社内で新しいツールのトライアルがあったが、工夫の余地がありそうであったため、システム部門にフィードバックをした
失敗の成果としての受け止め
- トライアル的に実施した施策から期待通りの効果が得られず中止することになったが、結果を分析したところ、その原因が明らかになったため次につながる失敗として前向きに受け止めた
柔軟な意志決定
・既存の価値観に基づく判断が難しい状況においても、価値創造に向けて必要であれば、臨機応変に意思決定を行っている
・従来とは異なるやり方をしようとする場合、前例に沿って判断しようとしても、その前例となる事例がないこともある。そのような場面で、成功するか分からないため実施しない、という判断をしてしまうと、前例にない事柄にはいつまでも取り組めないため、臨機応変に意思決定をする姿勢を持つ必要がある。
行動例/学習項目例
臨機応変な意思決定
- 顧客・ユーザーの声を取り入れて新たなサービスを提供したいと思っているが全社的に承認を得るには時間がかかるため、支店の中でトライアル的に始めた
- 顧客へのヒアリングを重ねたところ、社内における類似の過去事例が存在しないサービスにニーズがあることがわかった。これまでに同様のサービスがないため、既存の社内規程ではサービス開始へのGoサインを出すために当てはめることができる基準が存在しないものの、少なくとも法令違反ではないし、サービスの継続可否を判断する時期・基準を決めたうえで、ベータ版であることを明確にすることを担当者に指示して、サービス開始を承認した
- 顧客データはセンシティブな情報も含むため、システム部門に依頼して抽出することにしていたが、開示可能な顧客データを精査し、開示可能なデータについてはシステム部門外の社員も利用目的などを申請すれば自ら抽出できるようにした
事実に基づく判断
・勘や経験のみではなく、客観的な事実やデータに基づいて、物事を見たり、判断したりしている
・人間は自身の勘や経験、あるいはステレオタイプに基づいて判断をしてしまいがちであるが、世の中が目まぐるしく変化する中では、勘・経験に基づく判断が必ずしも正しいとは限らない。そのため、自身の勘・経験のみを頼りにするのではなく、客観的な事実やデータに基づいて物事を見たり、判断したりする必要がある。
行動例/学習項目例
客観的な事実やデータに基づいた判断
- 売上目標を設定する際に、例年と同程度の水準を設定するのではなく、市場の状況や非連続の成長への挑戦も加味した目標を設定する
- 毎年同時期に売上が不振となる要因を季節的なものと決めつけず、顧客データや店舗の売上データから分析する
- 営業計画を立てる際にA地域は売上を伸ばすことが難しいとあきらめるのではなく、売上データを分析して売上停滞の原因を特定し、改善施策を検討する
- 製造計画を立てる際に、客観的な事実とこれまでに培った経験や勘をうまく組み合わせて検討する
Why
社会の変化
・世界や日本社会におきている変化を理解し、変化の中で人々の暮らしをよりよくし、社会課題を解決するためにデータやデジタル技術の活用が有用であることを知っている
・日本社会や企業・組織において、なぜDXが必要とされているか理解するために、社会がどのように変化しているか(世界全体の大きな潮流や社会課題)を知る必要がある。
・テクノロジーの発達や人材の流動化などから国と国との隔たりが無くなってきているため、日本の取組み状況や、先進的な諸外国の取組みを知ることが求められる。
・バイクシェア・カーシェアなどのシェアリングエコノミーの広がりや、様々なデジタル技術の発達により身の回りの生活にも影響が出ているため、賢く活用するための前提知識が求められる。
行動例/学習項目例
メガトレンド・社会課題とデジタルによる解決
- サステナビリティ:SDGs、持続可能な開発
- 経済:交通渋滞、物流のキャパシティ
- 人口動態:人口減少・高齢化
- 地球環境:脱炭素社会、気候変動、水資源・食糧需給、自然災害・感染症対策
- エネルギー:エネルギー供給の持続可能性
- 人材育成・教育:教育格差、リカレント教育
日本と海外におけるDXの取組みの差
社会・産業の変化に関するキーワード
- 第4次産業革命
- Society5.0で実現される社会
- データ駆動型社会
顧客価値の変化
・顧客価値の概念を正しく理解し、顧客・ユーザーがデジタル技術の発展によりどのように変わってきたか(情報や製品・サービスへのアクセスの多様化、人それぞれのニーズを満たすことへの欲求の高まり)を知っている
・デジタル技術の発展により、顧客・ユーザー(個人だけでなく企業も含め)は過去よりも様々な情報に容易にアクセスできるようになっている。そのため、なるべく多くの顧客・ユーザーに最適化されたものではなく、自身にとって最適なものへの欲求がより高まっていることを理解する必要がある。
・個人レベルでは、デジタル技術を活用したサービス(eコマース、動画・音楽配信、タクシー配車アプリ、デリバリーサービス、電子書籍 等)の活用が進む中で、企業が新たな価値を提供するためには、デジタル技術を活用したサービスの提供や自社がユーザーとして既存のサービスを活用することが求められていることを理解する必要がある。
行動例/学習項目例
顧客・ユーザーの行動変化と変化への対応
- 購買行動の変化
- 変化に対応した広告手法:レコメンド、SEO、リスティング広告、インフルエンサー、OMO(Online Merges with Offline)、LBM(Location Based Marketing)
- データ・デジタル技術を活用した顧客・ユーザー行動の分析事例
顧客・ユーザーを取り巻くデジタルサービス
- eコマース
- 動画・音楽配信
- タクシー配車アプリ
- デリバリーサービス
- 電子書籍
- インターネットバンキング
競争環境の変化
・データ・デジタル技術の進展や、社会・顧客の変化によって、既存ビジネスにおける競争力の源泉が変わったり、従来の業種や国境の垣根を超えたビジネスが広がったりしていることを知っている
・社会や顧客が変化する中で、自社が成長を続けるためには、デジタル技術の進展により新規参入へのハードルは従来よりも大きく下がっていることや、国境をも超えた製品・サービスの売買が容易になっていることを知る。それによって、自社の競争環境は従来とどのように変わっているのか、あるいは変わる可能性があるのか理解する必要がある。
行動例/学習項目例
デジタル技術の活用による競争環境変化の具体的事例
- 出版業・書籍流通業における環境変化(電子媒体のシェア上昇、インターネットにおける情報入手)
- 古書・中古品売買市場における環境変化(CtoCプラットフォームの登場)
- レンタルビデオ・CDショップ市場における環境変化(動画配信・音楽配信サービスの登場)
- 旅行業(旅行代理店)における環境変化(個人が海外・国内を問わず宿泊先・ツアーの予約が容易に行えるサービスの登場)
- 音楽配信サービスにおける環境変化(曲・アルバム単位での購入から定額制サービスへ)
What
データ
社会におけるデータ
・「データ」には数値だけでなく、文字・画像・音声等様々な種類があることを理解し、それらがどのように蓄積され、社会で活用されているか知っている
・ビッグデータの活用が進んでいる中で、機械の稼働状況のようなデータだけでなく、文字、音声、動画や、自分の行動履歴もデータとなりうることを理解することが求められる。
・ビッグデータを得体のしれないものとして恐れるのではなく、便利に利用するために、ビッグデータがどのように使われているのか知る必要がある。
行動例/学習項目例
データの種類
- 取得方法による分類:行動ログデータ、機械の稼働ログデータ、実験データ、調査データ、生体データ
- 取得主体による分類:1次データ、2次データ
- データそのものの属性による分類:構造化データ、非構造化データ(文字・画像・音声 等)、メタデータ
社会におけるデータ活用
データを読む・説明する
・ビッグデータの活用が進んでいる中で、機械の稼働状況のようなデータだけでなく、文字、音声、動画や、自分の行動履歴もデータとなりうることを理解することが求められる。
・ビッグデータを得体のしれないものとして恐れるのではなく、便利に利用するために、ビッグデータがどのように使われているのか知る必要がある。
・データから得られる事実に基づいた経営・業務における意思決定を行うために、データを読み取るうえで必要な基礎的な確率・統計に関する知識や、データ同士の比較方法に関する知識を身につける必要がある。
・データから読み取った示唆を組織としての意思決定に繋げるために、結果を可視化する手法を知ることが求められる。
行動例/学習項目例
データの分析手法(基礎的な確率・統計の知識)
- 質的変数・量的変数
- データの分布(ヒストグラム)と代表値(平均値・中央値・最頻値)
- データのばらつき(分散・標準偏差・偏差値)
- 相関関係と因果関係
- データの種類(名義尺度、順序尺度、間隔尺度、比率尺度)
データを読む
- データや事象の重複に気づく
- 条件をそろえた比較
- 誇張表現を見抜く
- 集計ミス・記載ミスの特定
データを説明する
- データの可視化(棒グラフ・折線グラフ・散布図・ヒートマップなどの作成)
- 分析結果の言語化
データを扱う
・データ利用には、データ抽出・加工に関する様々な手法やデータベース等の技術が欠かせないことを理解している
・データ利用に関する理解を深めるために、データの抽出、加工、出力に関する手法を知る必要がある。
・データ利用に関する理解を深めるために、データ利用に欠かせない技術である、データベースの仕組みについて知る必要がある。
行動例/学習項目例
データの抽出・加工
- データの抽出
- データクレンジング:外れ値、異常値
- フィルタリング・ソート
- 結合
- マッピング
- サンプリング
- 集計・変換・演算
データの出力
データベース
- データベース管理システム
- データベースの種類:リレーショナルデータベース、キーバリュー形式
- データベースの構造:テーブル、レコード、フィールド
- データベースの設計:データの正規化の概要、ER図
データによって判断する
・業務・事業の構造、分析の目的を理解し、データを分析・利用するためのアプローチを知っている
・期待していた結果とは異なる分析結果が出たとしても、それ自体が重要な知見となることを理解している
・分析の結果から、経営や業務に対する改善のアクションを見出し、アクションの結果どうなったかモニタリングする手法を理解している
・データを扱う前提としてデータを何に使うのか、どのような結果が出ることが予測されるのか仮説を構築する重要性を知る必要がある。
・分析の目的を実現するためにふさわしい分析アプローチと中長期的なモニタリング方法を設計する手法を知ることが求められる。
行動例/学習項目例
データドリブンな判断プロセス
- 仮説構築
- 仮説の修正
- 一次情報を用いたデータの検証
- データの信頼性の判断・明示
- 分析結果に基づいた意思決定
分析アプローチ設計
- 必要なデータの確保
- 分析対象の構造把握
- 業務分析手法
- データ・分析手法・可視化の方法の設計
モニタリングの手法
デジタル技術
AI
・AIが生まれた背景や、急速に広まった理由を知っている
・AIの仕組みを理解し、AIができること、できないことを知っている
・AI活用の可能性を理解し、精度を高めるためのポイントを知っている
・検索エンジンの高性能化やウェアラブルデバイスの普及などAIが日常生活に影響を及ぼしているため、このような変化がなぜ起きたのか理解することが求められる。
・仕事においてもAIを利用する場面が今後発生することが想定されるため、AIには何ができて何ができないのかを知ることが求められる。
・AIができることをより具体的に想像するために、AIがどのように物事を処理しているのかを知る必要がある。
行動例/学習項目例
AIの歴史
- AIの定義
- AIブームの変遷
- 過去のAIブームにおいて中心となった研究・技術(探索・推論 等)
AIを作るために必要な手法・技術
- 機械学習の具体的手法:教師あり学習、教師なし学習、強化学習
- 深層学習の概要:ニューラルネットワーク、事前学習、ファインチューニング
- AIプロジェクトの進め方
人間中心のAI社会原則
AIの得意分野・限界
AIに関する最新の技術動向
クラウド
・クラウドの仕組みを理解し、クラウドとオンプレミスの違いを知っている
・クラウドサービスの提供形態を知っている
・近年主流となっているデータ・AIを活用したサービスに多く使用されている技術のため、どのようにデータを保持しているのか学ぶことが求められる。
・業務システムの中にもクラウド形態で提供されるサービスが増えているため、クラウドに対して過度な不安を抱かないよう、安全な利用を可能としている仕組みを知る必要がある。
・業務システムだけでなく、生活の中で使うサービスにもクラウドを用いたサービスが広がっているため、どのようなサービスにクラウド技術が使われているのか知る必要がある。
行動例/学習項目例
クラウドの仕組み
- オンプレミスとクラウドの違い
- パブリッククラウドとプライベートクラウド
- クラウドサービスにおけるセキュリティ対策
クラウドサービスの提供形態
- SaaS(Software as a Service)
- IaaS(Infrastructure as a Service)
- PaaS(Platform as a Service)
クラウドに関する最新の技術動向
ハードウェア・ソフトウェア
・コンピュータやスマートフォンなどが動作する仕組みを知っている
・社内システムなどがどのように作られているかを知っている
・コンピューティング機能を持つ機器の種類が増えているため、どのような機器がコンピュータとして使用されているのか知る必要がある。
・日常生活や業務でコンピュータを利用するために、基礎となるコンピュータが動く仕組みやそれらを動かしているソフトウェアの仕組みを知る必要がある。
・業務で使用するシステムができること、できないことを理解し、開発部門と円滑にコミュニケーションを取るために、コンピュータに指示を出す際の考え方や、IT部門がどのような業務を行っているのか知る必要がある。
行動例/学習項目例
ハードウェア
- ハードウェアの構成要素:プロセッサ、メモリ、ストレージ、入出力機器
- コンピュータ・入出力機器の種類:PC、サーバー、汎用機、スマートフォン、タブレット、ウェアラブル端末、スマートスピーカー、センサー、デジタルサイネージ、ドローン
ソフトウェア
- ソフトウェアの構成要素:OS、ミドルウェア、アプリケーション
- オープンソースソフトウェア
- プログラミング的思考:アルゴリズムの基本的な考え方、プログラミング言語の特徴
企業における開発・運用
- プロジェクトマネジメントの概要
- サービスマネジメントの概要
ハードウェア・ソフトウェアに関する最新の技術動向
ネットワーク
・ネットワークの基礎的な仕組みを知っている
・インターネットの仕組みと代表的なインターネットサービスを知っている
・インターネットなどを利用する際の基礎知識としてネットワークの仕組み・インターネット技術を支える仕組みを知ることが求められる。
・日常生活に登場する機会の多いインターネット技術の種類を知ることで、効果的に利用できるようになる。
行動例/学習項目例
ネットワーク・インターネットの仕組み
- ネットワーク方式(LAN・WAN)
- 接続装置(ハブ・ルーター)
- 通信プロトコル
- IPアドレス
- ドメイン
インターネットサービス
ネットワークに関する最新の技術動向
How
活用事例・利用方法
データ・デジタル技術の活用事例
・ビジネスにおけるデータ・デジタル技術の活用事例を知っている
・データ・デジタル技術が様々な業務で利用できることを理解し、自身の業務への適用場面を想像できる
・自身の業務や担当しているサービスにおいて、どのようにデータ・デジタル技術を利用できるか想像できるようになるために、データ・デジタル技術が様々なビジネスシーンで活用されていることを知り、具体的な事例に接する必要がある。
行動例/学習項目例
事業活動におけるデータ・デジタル技術の活用事例
- サービス:配膳ロボット導入、顧客情報を用いた購買傾向の分析
- 販売:バーチャル試着サービス、無人コンビニエンスストア
- マーケティング:購買履歴に合わせたリコメンド機能、ビッグデータを用いたリスティング広告
- 製造:製造データの蓄積・分析(スマートファクトリー)、部品在庫の自動管理・調達
- 研究開発:研究業務のリモート化、研究データ基盤システムの構築
- 調達:電子契約システムの導入、サプライチェーン情報の一元化
- 物流:ブロックチェーンを用いた生産情報のトラッキング、顧客情報を用いた再配達の予防
ツール利用
・ツールの利用方法に関する知識を持ち、日々の業務において、状況に合わせて適切なツールを選択できる
・組織で行われるDXの取組みや日常の業務において、状況に合わせて適切なツールを選択して利用するためには、各種ツールの利用方法について知ることが求められる。
・現時点では、どこの企業でも当たり前に使われていないツールに関しても、状況に合わせて適切なツールを選択することができるよう、選択肢として知識を身につけておくことを意図して、ノーコード・ローコードツールについても基礎知識のみ含める。
行動例/学習項目例
各種ツールの利用方法
- コミュニケーションツール:メール、チャット、プロジェクト管理
- オフィスツール:文字のサイズ・フォント変更、基本的な関数、表の作成、便利なショートカット
- 検索エンジン:検索のコツ
ノーコード・ローコードツールの基礎知識
- RPA、AutoMLなどの自動化・内製化ツールの概要
留意点
セキュリティ
・セキュリティ技術の仕組みと個人がとるべき対策に関する知識を持ち、安心してデータやデジタル技術を利用できる
・データやデジタル技術に対して徒に不安を感じることなく、適切に利用するためには、情報を守る仕組みを知ることが求められる。
・企業が用意する環境・対策だけでなく、個人もセキュリティ対策を行う必要性とその方法を理解する必要がある。
行動例/学習項目例
セキュリティの3要素
セキュリティ技術
- 暗号
- ワンタイムパスワード
- ブロックチェーン
- 生体認証
情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)
個人がとるべきセキュリティ対策
- IDやパスワードの管理
- アクセス権の設定
- 覗き見防止
- 添付ファイル付きメールへの警戒
- 社外メールアドレスへの警戒
モラル
・個人がインターネット上で自由に情報のやり取りができる時代において求められるモラルを持ち、インターネット上で適切にコミュニケーションできる
・捏造、改ざん、盗用などのデータ分析における禁止事項を知り、適切にデータを利用できる
・インターネットで手軽に情報交換ができる環境においては、日常生活の何気ない行動が大きなトラブルになりかねないため、適切にコミュニケーションを取るために必要なモラルを身につけることが求められる。
・自らが求める結論を得るためにデータを不正に取得したり捏造したりすることはあってはならないことを十分に理解したうえで、適切にデータを利用することが求められる。
行動例/学習項目例
ネット被害・SNS等のトラブルの事例・対策
- 写真の位置情報による住所の流出
- アカウントの乗っ取り
- 炎上
- 名誉棄損判決
データ利用における禁止事項
コンプライアンス
・プライバシー、知的財産権、著作権の示すものや、その保護のための法律、諸外国におけるデータ規制等について知っている
・実際の業務でデータや技術を利用するときに、自身の業務が法規制に照らして問題ないか確認できる
・業務で顧客データを扱う際や私生活で情報発信をする際に個人情報保護法に反することがないよう、個人情報が指す内容や取扱ルールを知る必要がある。
・業務において無意識に知的財産権を侵害することがないよう、基礎的な知識を身につけることが求められる。
・諸外国にはデータを保護する独自の法律があること、それが日本において情報を扱う者にも適用されることを知る必要がある。
行動例/学習項目例
個人情報の定義と個人情報に関する法律・留意事項
知的財産権が保護する対象
- 著作権
- 特許権
- 実用新案権
- 意匠権
- 商標権
- 不正競争防止法
諸外国におけるデータ規制の内容
本ページは、デジタルスキル標準(DSS)策定の背景・目的 | デジタル人材の育成 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構に掲載されているデジタルスキル標準 ver1.1(DXリテラシー標準Excel版)(Excel:32 KB)を元に作成しています。